110.もがみ艦橋
沖田、じっと腕組をして考え込んでいる。
やがて・・・
沖田「重力圏を離脱できてない艦は当艦のほか何隻だ?」
レーダー士「さざなみ、そよかぜ、しきしま他5隻です。いずれも当艦より先行しています」
沖田「それでいい。砲術長、後部兵装はまだ使えるな」
山南「(振り返って)なんとか」
沖田、少し息を吸い込んで・・・。
沖田「(艦外通信専用と思われるマイクを手に取り)『さざなみ』に通達。指揮権を譲る」
スピーカーから声「『さざなみ』了解。(一瞬、重い沈黙があって)・・・無事を祈る」
前方を見据える沖田。