11.地球の市街地

その一角にあるホワイトハウス。

スーパー地球統合政府大統領官邸

12.ホワイトハウスの一室

大きい机がでんと据えてあって、そこにスーツ姿の恰幅のいい50代くらいの男(白人)が座している。

地球統合政府の大統領である。

その男の前で、立ったまま報告している背の高い上品な黒人がいる。この男は50代だが、外見は若い。

40代にしかみえない。

かなりがっしりしていて、背筋もぴんとしている。

地球統合軍の司令長官である。

大統領「外周艦隊を突破してきた物体というのは、連合国の爆弾ではなかったんだな」

司令長官「はあ。ここ数年太陽系外周で浮遊している探査ブローブの親玉みたいです」

大統領「親玉?あのエイリアンなり先住人類の遺産といわれているブローブの?」

司令長官、無言でうなづく。

大統領「今度のは大型で、質量だけでも地球上のひとつのまちを壊滅させるスケールの物体だった。それが地球への直進コースをとっていたので、危機を回避するため、艦隊に迎撃させた・・・それはいい。が、宇宙艦5隻の集中砲火で破壊できなかったというのはいかがなものかね。前の戦争でベテランが死に過ぎて指揮官の平均年齢が若返ったのが原因かね?」

司令長官「(微笑する)そうであれば、気が楽です。ガニメデ基地の調査チームの報告によると、金属組成がまったく我々の太陽系内のものとは異なるのです」

大統領「太陽系の外から来たというのか?バカバカしい」

司令長官「・・・」

大統領「連合国が新しい金属組成を実現したと見るほうが常識的だろう」

司令長官「閣下は探査ブローブについても連合国の新兵器だといわれてましたが・・・連合国のテクノロジーではあれほどのものは・・・彼らは敗戦で開発力などないのですから」

大統領「・・・続けろ」

司令長官「その物体の表面に、地球のものではない文字プレートがありました。これです」

といって、手元の液晶パネル(一見、携帯ゲーム機)を見せる。

大統領、それをしげしげとみて「なんと書いてある?」

司令長官「現在、外周惑星探査隊に従事している学者を呼び戻して、解読作業をさせています」


PICTURE BY よっしー

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