105.イスカンダル宮殿内スターシャ私室(つづき)
ナンバーツー「ええ、もって一年。でも、地球までワープを繰り返せば一年以内に辿り着ける」
スターシャ「この星の唯一の宇宙艇は緊急脱出用で小型です。放射能除去装置の完成品を運ぶことはできない…。それに…」
ナンバーツー「(うなづいて)地球人も、他者を滅ぼし生きようとする者たちかもしれない。彼らにコスモクリーナーDを授けることは宇宙の災いの源となるかもしれない。それが人という生き物の限界かもしれない」
スターシャ、じっとナンバーツーを見つめる。
ナンバーツー「しかし、滅亡の危機を経験して、命の大切さに最も近付いているはずです。だからこそ、彼らの愛と勇気と知恵を確かめる価値がある。このまま互いの殲滅を繰り返す歴史に終止符を打つためには、反撃ではなく、愛を送らねばならない」
ナンバーツーのまっすぐな瞳。
ナンバーツー「そのために、誰かが、天銀河を目指さねばならない。きっと姉上もこの答えに辿り着いていたはず。」