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>>>タキオン
-- 08/03/17-07:39..No.[126] |
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宇宙戦艦ヤマト生活班長の森雪は働き者である。生活班は、乗組員全員の日々の生活を支える大変重要な部所である。基本的な生活が確保されて初めて、乗組員はそれぞれの仕事に集中できるのだ。乗組員の心と体を常にベストの状態に保つべく、森雪は心を砕いていた。みんなの士気を高めるため、そして少しでも和みの時間を提供するために、雪は1人1人の誕生日を祝うことを忘れない。そして、今日のバースデーボーイは…。 コンコン。艦長室のドアをノックする音が聞こえる。 「森雪、入ります。」 その声に一瞬フリーズするが、リモコンでテレビを消し自慢のコレクションを隠し戸棚にしまう。「くそ、みんなしていつも、わしがエッチなビデオをみとるときにノックしやがって」 沖田は苦々しく思いつつ、衣服を着替える。 「入れ。」 「艦長。今日はお誕生日なんですから食堂にいらしてください。」 いままで数々の悲劇を見てきた艦長は「泣いてはならん。」と心に言い聞かせながら雪に続く。もちろん雪はそんなことには気付いていない。 ―食堂にて― 「艦長。今日はプレゼントがあるんです。」 そう言って大きめの紙袋を渡す。 「ありがとう・・・」 おそるおそる中を見ると、DVDが10枚ほど入っていた。 「なんのDVDかねこれは。」 案外普通だったので少し安堵した様子の艦長。しかし目に不思議な光をたたえながら雪は 「それは地球各地の映像です。艦長はこの頃お体の具合が悪いようなので地球を一目見て安心して死ねるようにってみんなから。だって『地球を一目見るまでは死なん!』なんて豪語しちゃって死んでも化けて出るんじゃないかってクルーのみんなは不安でしょうがないってわめいているんですよ。」 (おいー!何でもかんでも話すなー!!)たじたじの周りで見ているクルー陣。 (くそ!どいつもこいつのも死ぬこと前提で話を進めよって!明日からは訓練量倍じゃな。)と思いつつも地球を本当に見れるのか不安になってくる艦長。 この何とも微妙で気まずい空気をまったく読めてない雪はさらに続ける。 「あー、一応vol.1と2が青い地球当時でvol.3と4が赤い地球の地表と地下都市になっていますからお好みでどうぞ。」 (・・・・まあ懐かしい地球を見るのもいいか・・。別に泣かされなかったし)と艦長。ストーリーが終わりそうな展開。 「今、ここで終わったら話のオチがなくなってしまうんだぞ!オチのためにあのことに気づくんだ!艦長!」by作者 さすが艦長「あのこと」に気がついて1つの疑問が浮かんできた。 「・・・森君。ではこの残りは何だね?」 残りのDVDを出す艦長。 「あー。それはですねぇ。」にやり。雪の目の輝きがいっそう増す。 いやな予感がする艦長以下乗組員たち。 「出港時の持ち物検査で発見したクルーが持っていたエッチなビデオです。艦長なら預けてても安心かなぁって。艦長なら、み・な・い・で・しょ。」 帽子を深くかぶる艦長は心底思う〔だめだ。この船(の中)ではやつには勝てない〕と。 ここに雪がさらなる攻撃をかける。 「え、艦長もしかして観てるんですか!?」 「本当ですか!艦長!」「いい歳して観てるなんて、それでもヤマトの艦長ですか!」ここぞとばかりにクルーが追い打ちをかける。 独り言 みたいに〜小さな〜声で〜〜♪「・・・そんなことはない。」(しかし、なぜわかった?あの隠し戸棚がばれていたのか?)汗が額を流れる。 帽子で隠しているが目が震えている・・・・波動エンジンは動いているぞ!艦長。耐えるんだ! 「で、これを持っていたクルーの処置はどうしましょう?」 「・・・馬鹿めと言ってやれ。」 もはやこれまで。KO寸前の艦長。 「え?」 「馬鹿めだ!」そう言って立ち去る艦長。(このままではぼろを出すだけだ。撤退しよう。あのコレクションもどこかに撤退しよう・・・) その後艦長室で1人(地球のDVD鑑賞中) 「笑い話に時が変える。心配ない。」と笑った。 それからしばらく艦長室から出てこなかったそうな・・・・ |
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初投稿です >>> タキオン -- 08/03/17-07:44..No.[127] | |||
ずいぶん間が開きましたが沖田艦長バージョンです。ちょっといけないネタですいません。 初投稿何でつまらないかもしれませんが今後ともによろしくお願いします。 | |||