Yamato Only Novel Deck(ver3.0)


『30年後へ向けて』

 >>>Alice   -- 04/10/09-22:38..No.[100]  
    「タイムカプセル〜〜〜?」

集まった一同にざわめきが広がる。
「そうなの。ヤマトに乗ってイスカンダルを目指すあたし達は、言わば明日をも知れぬ身でしょ?でも、だからこそ30年後の自分に宛ててメッセージを残すのもいいいかな…と思って。」
生活班長の森ユキが、たった今空っぽになったばかりのワインボトルを片手に、熱く語っていた。

「400字詰め原稿用紙にメッセージを書いて、ワインの壜に入れて、30年保管します。」

「ユキのやつ、そのために、あのワインを1人で空けたのか…」
「酔っ払って、今、思いついたくせに。」
「今時、原稿用紙…って。記録ディスクに保存して、30年のタイムロックをかけときゃいいんじゃ?」
一同のざわめきは納まらないが、ユキは全くお構いなしだ。生活班員に手伝わせて、原稿用紙を配り始めた。この忙しいのに迷惑な…と思いつつも、誰もユキには逆らえない。う〜〜〜んと頭を抱えつつ、鉛筆の芯をなめなめ、それぞれが原稿用紙と向かい合った。

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沖田艦長の場合
「ワシに30年後の未来があるのか定かではないが、(宇宙放射線病、治んないし…)もしイスカンダルからコスモクリーナーDを無事持ち帰り、地球が元の美しい姿を取り戻したら、是非アルプスに移住したい。アルムの森の木々に抱かれ、ヒツジやヤギ(ちっちゃいのはユキと名付けよう)それに大きな犬を飼い、藁の寝床で星を見ながら眠り、孫娘や病弱な少女(少年は不可)をホームステイさせ、自家製のチーズや特製の大鍋料理に舌鼓を打ち、若い頃からかぶり続けた暑苦しい帽子も潔く脱ぎ捨て、パイプをくゆらし、ヨーデルを歌う、そんな暮らしをしたいと思うが、結構似合うのではないだろうか。」

古代進の場合
「タイムカプセルなんて…、女の子の発想にはついていけないなぁ。う〜〜ん、30年後か。
その頃にもまだヒーローやってんのかなあ、俺って。できるならヒーローはもう辞めたいんだけど。見せ場も多いし、かっこいいし、女の子にはもてるけど、ヒーローってのは清く正しく美しく、曲がったことは(あんまり)できないし、常に熱血してなくちゃいけなくて、これって、結構疲れるんだよな。“宇宙の愛”を語る役は、いいかげん誰かに代わってほしい。(兄さんやデスラーあたりが適役か?)」

森雪の場合
「1番楽しい青春時代を無味乾燥な戦艦で過ごすあたしとしては、これからの30年、やりたいことは、ぜ〜〜〜〜んぶ、やってみようと思ってるの。ママには悪いけど、帰還してすぐ結婚するなんて、まっぴらよ。オシャレに旅行にショッピング、海外遊学に韓流スターの追っかけ、ストリートダンスやYOSAKOIもやってみたい。ビジネスを起こして大儲けもしたいし、デザインしたりするのも好きだし、実は芸能界デビューにもちょっぴり興味があったりして…。それに素敵な恋愛を繰り返して、ますますいい女にならなくっちゃ!」

島大介の場合
「地球が滅亡しそうな状況下で、その日を生き延びるのに精一杯だったから、将来のことはあんまり考えていなかった…。航海班長ともあろう者が、人生行路については無計画だなんて、情けない話だ。…でも、みんなは何て書いているんだろうか。古代なんかは、また壮大なセリフを長々と語ってるんだろうなぁ。俺も、アイツほどではないにしろ、もう少し熱い男になりたいものだ。」

真田志郎の場合
「30年後といったら、俺はもう還暦じゃないか。赤いちゃんちゃんこ姿は想像したくないが、不老不死の薬でも発明しない限り、それが現実だろう。正直言って、そんな歳まで軍で兵器開発に携わるのは本望ではない。できれば早期退役して、「真田さん、どうしましょう」コールに悩まされることのない静かな場所で、ゆったりと過ごしたいものだ。仕事とは無関係の研究をしたり、絵を描いたり、音楽を聴いたり…、おっと澪の子供の孫守りもしなくては。その頃には、俺もじいさんだが、澪もいいおばちゃんか。年月というのは、残酷なものだ。」

加藤三郎の場合
「俺は生涯現役、死ぬまで飛んでいたいから、万年隊長で結構、結構。地上勤務とか本部での管理職とかはしたくないんだ。それと、俺の一族はなんてったって男だらけで、ムサクルシイ。実は女の子のいる家庭ってやつに、あこがれている。俺が結婚した暁には、6人くらい娘が欲しいなぁ。そしたら名前は「一子」「二子」「三子」…ってわけにもいかないから、今のうちからよく考えておこう。」

山本明の場合
「生涯現役ってのは加藤の口癖だが、俺もその点は同感。やっぱり飛んでいる時が、1番好きだし、俺らしいと思うから。しかし30年たったら、いくら俺たちでも老眼が始まって、反射も鈍くなる(…かもしれない)。そうしたら、やっぱり戦闘機のパイロットはキツイだろう。別に俺は戦闘機に拘っているわけじゃないので、民間に行ってもいいし、職種変えってのもありだな。休日に自家用小型機なんかをゆったり飛ばせれば、それで十分だと思う。その時、隣に○○が一緒に乗ってたら、言う事なし。」

藤堂平九郎の場合
「ヤマトの乗組員ではないが、関係者ということで、妙な企画に参加することになった。30年後には、今の時代が歴史として認識されているだろう。しかし歴史の教科書に「無能無策の防衛軍長官」と記されるのは、全くもって不本意だ。そもそも在任中に、毎年、宇宙人の襲撃を受けた不運な長官は、私だけだ。対策が後手後手に回り、防衛機能が十分に働かなかったとしても、平穏無事に任期を務め上げた諸長官とは、状況が違いすぎる。
それと、かわいい孫の明子が選んだ相手だが・・・、孫の手前、黙ってはいるが、心身ともに軟弱で、長官家の婿としては役不足の感が否めない。ここは柔道、剣道、書道の有段者である私が、婿を鍛え直すべきであろう。斉藤あたりの部隊にしばらく配属するのもいいかもしれない。」

み〜君の場合
「ネコのジュミョーは30年もないにゃ〜ん。」

特別参加:KOBEクルー○○○の場合
「……みなさんの思いの丈をどうぞ。……」


クルーの切なる願いや密かな想いを詰め込んだワインボトルは、ヤマト帰還後、英雄の丘に埋められましたとさ。ちゃんちゃん。



遅ればせながら…

>>> Alice   -- 04/10/09-22:46..No.[101]
 
    ヤマト30周年を私もお祝いさせていただきます。
思えばヤマトとは本当に長いお付き合いで、もう私のDNAの一部になっているんじゃないかと思うほど、離れられない存在です。なんでそんなに惹かれるのか…と考えた事もありますが、「好きに理由はいらない」それが答えでした。きっとこれからも、ずっと好きなんだと思います。

さて、タイムカプセルですが、登場しなかったクルーの原稿用紙、リレーで続けていただければ、楽しいかなと思います。太田君や南部君、幕の内キャップや佐渡先生やアナライザー…、どなかたよろしくお願いしますね。
 
お見事!

>>> 長田亀吉   -- 04/10/10-01:44..No.[102]
 
    楽しい30周年のお祝いをありがとうございます^^
相原の運命には、笑いました(笑)空間騎兵隊はきつそう!
でも、それを乗り越えたら、新番組がもしあれば主人公になれそうですね(笑)
今後ともよろしくお願い申し上げます^^
 
赤いちゃんちゃんこの真田さん!

>>> まぐ   -- 04/10/10-11:12..No.[103]
 
    一番わらけました。
それに相原君、よっぽど頑張らなきゃ。

リレーで続くんなら是非拝見したいです。
クルーじゃないけどなぜかデスラーや、クルーだったら徳川Jrも
楽しそうですね♪
 


>>> ぴよ   -- 04/10/14-00:24..No.[104]
 
    いやー笑いました。特に「少年は不可」が最高です。
そういえば,清涼飲料水のオマケでもらったア○ムおんじのミニフィギュア,我が家ではなぜか「艦長」と呼ばれております(笑)。
 
山本くんの文章

>>> ふみひこ   -- 04/10/14-18:45..No.[105]
 
    すごく彼らしい、と思ってしまいました。
引退後は離島航路のパイロットになって、のんびり南の空を飛ぶダンディーな姿、とても似合いそうです。
南部くんは…やっぱり、アヤしい科学者が創業者である「あの会社」を継いでいるんでしょうか(大好きです、あのお話!)

 


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