Yamato Only Novel Deck(ver3.0)




『宇宙戦艦ヤマトIII 第26話「さらばヤマトよ」その1』

 >>>長田亀吉   -- 02/10/04-02:32..No.[1]  
     23世紀初頭。銀河系内の星間国家の戦争に巻き込まれた太陽系は、ガルマンガミラスの惑星破壊ミサイルの流れ弾を太陽に受けた。太陽は核融合の異常増進を始め、太陽系は人類の生存に適した空間でなくなってしまうことが判明した。
 事態を重く見た地球防衛軍司令は、宇宙戦艦ヤマトを第2の地球探しの旅に派遣した。星間国家の戦闘に巻き込まれ、ヤマトは第2の地球探しこそ果たすことは出来なかったものの、銀河系内の隠れた超文明・シャルバートと接触し、太陽の核融合を制御するハイドロコスモジェン砲を入手、太陽制御に見事成功するのだった。
 地球は救われた。

 しかし、第一艦橋の古代の表情は冴えない。
 ヤマトを追ってきたボラー連邦との戦闘に巻き込まれ、若き宇宙戦士を多く失ったからである。若い、といえば古代自身、まだ若い。自分の指揮する艦で多くの命が失われた実感を受け止めるだけのキャパシティは、まだ身についていないと実感していた。底知れぬ喪失感が、任務を達成した喜びを超えて古代を覆っていた。

 「遺族には、帰還後、自分が手紙を書きます」
 古代は眼下に広がる青い大気圏をみつめてつぶやいた。
 真田は、自分より一回り若い古代が痛々しい。
 彼は、古代一人に責任と後悔を負わせるのが心苦しくて、「俺も書こう」と申し出たのだった。しかし、責任を全うすることでしか古代の心がまぎれないことを理解して、それ以上に強くは言わなかった。

 島は、黙って、操縦桿を引く。
 こういうときは、何もいわない方がいい。
 そう思っていた。

 やがて、ヤマトは島の操縦で無事に地球の地下都市内のドッグに帰還した。ドッグでは、藤堂司令長官以下、防衛軍の首脳と救急班員たちがヤマトを待っていた。暑いので宇宙服を着ている。太陽制御は成功したものの、いきなり気温が下がるわけではないのだ。

 タラップがヤマトの舷側から下方に展開して、ドッグの縁に接地する。まずタラップから出てきたのは、負傷者を載せた担架の群れであった。森雪はヤマトと防衛軍の救急班を指揮し、負傷者の治療施設への搬送を実行した。こういうときの森雪には表情が無い。それもまた、彼女なりの戦いであった。

 段取りとしては、負傷者の次に死亡者の遺体が搬出される。命を捧げた戦士たちを先に地球に下ろすのが礼儀だと古代は思っていた。

 もっとも全ての死亡者という訳には行かない。あくまでヤマト艦内で死亡したものだけであるが・・・ひとつひとつの棺がゆっくりと艦内から搬出されていく予定であった。

 古代ら上級士官は、タラップ横の出入り口に立ち、ヤマトからそれを見送る形をとる。
 壁際の通信機に森雪から連絡が入る。
「負傷者の搬出・移送完了しました」
 古代はうなづいて
「了解。犠牲者の下艦を始める」
 といった。
 そして、スイッチを切り替え
「佐渡先生」
 と、呼びかけた。

 本来ならすぐに佐渡の返答があるはずだった。
 しかし、佐渡の返答は即座には無かった。

 古代は、もう一度呼びかけた。
 「佐渡先生!」

 すると上ずった声で佐渡の声がスピーカーから返ってきた。
 「こ・・・古代」

 古代らはじっと耳を傾けた。
 
 「死んだ連中の一部が・・・生き返った・・・」

 佐渡の声に古代、島、真田は、唖然と顔を見合わせた。






こんな感じです。

>>> 長田亀吉   -- 02/10/04-02:40..No.[2]
 
    投稿後の記事の修正も出来ます。
画像は冒頭にしか配置できませんがお話を区切って投稿すればある程度はフォローできると思います。(ちょっと難しいですが、文中に配置することも出来ます。その際はご相談ください。実はその方法は今日は編み出しました…)。

あと、絵は後からでもつけることが出来ますし、差し替えることが出来ます(下のEDITでパスワードを入れて編集時に可能)。

さて、お話の方ですが、ずっと前にコメントしたように土門が生き返ります(笑)そのうち続き書きますね。

 


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