パロディかというとそんなことは全くない。ちゃんとした原作のあるSF映画である。
特撮による宇宙船の航行シーンなどもある。
お笑い映画かというと100%そうだともいえない。
人間の価値観、生き物の定義など深遠なテーマを分かりやすく絵にしている感じが見受けられる。
例えば、地球上で人類が最も賢く、進化した生き物であるという仮定を崩して、モルモットにされているネズミが一番賢くて、モルモットにされているのもカモフラージュで、実際には人間が実験動物だったとしたら。
イルカが減っているのは人間による虐待のせいではなく、地球を見限って人知れず脱出しているからだとしたら。
とにかく価値観の根底を覆して何かを考えるということの楽しさを思い出させてくれる作品ではある。
反面、観ていてそんなにスカッとするかというとそうでもなく、エンターテイメントとしては若干中途半端な印象がある。
例えば「ギャラクシークエスト」はパロディでありながらも、一本筋の通った人間ドラマがあり、感動できたが、今作はやや斜に構えたスタンスがあり、直球の部分はあまりない。
私は正直なところ、感覚がかなり違うと感じてあまり楽しめなかった。