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1973年度作品(東宝)出演: 小林桂樹, 藤岡弘, 丹波哲郎, 二谷英明, いしだあゆみ 監督: 森谷司郎 小松左京の原作を、藤岡弘主演で映画化したパニック大作。深海潜水艦・わだつみの操舵士・小野寺俊夫と田所博士は、日本が沈没するほどの海底異変が起きていることに気付く。しかし、その異変から日本国民が逃れる時間はもはや残されていなかった…。
題名からして興味を引く映画である。日本が本当に沈むのか?沈むとすればどんな風に沈むのか?その時、国土を失う日本人はどうなるのか?これら全ての問いにエンターテイメントとして、きっちり答えを出しながら、国家、人間、地球、それぞれのありようを観客に問いかける傑作である。 最初から最後までメリハリがあり、退屈しなかった。怪獣も宇宙人も宇宙戦艦も出てこないが、まさに東宝特撮映画の集大成と呼ぶに相応しい迫力ある画面が連続する。東京が大地震に見舞われるシーンは特に圧倒的。さらに、丹波哲郎の首相はもとより、役名が定かでない一般人、警察、自衛隊等々の一人一人の演技により迫真の映像となった。シナリオも緻密で説得力がある。劇中で、道路に障害物が多かったり、地中の水道管が破裂して消防が役に立たないという描写があるが、これはそのまま1995年の阪神・淡路大震災で現実のものとして再現されてしまう。小松左京は神戸の出身で被災もした。悔しかったと思う。 日本が沈むことが明らかになってからの動きも興味深い。情報の統制と失敗、海外の感情等々、とてもリアルだ。マスコミや世間の反応を見ながら、世間にどう公開するか、知恵を絞る描写も興味深かった。 その他全編通して切れまくる小林桂樹演ずる田所博士や、仮面ライダーを終えたばかりの当時のイケメン藤岡弘、さらに本人役で登場の竹内博士(東大)などなど、映画として「熱い」。多くの人にぜひ観て欲しい映画である。