34.基地作戦室

前方大パネルに赤い染みのできてしまった地球が映っている。

自席から、じっとそれをみつめている藤堂。

机の上のディスプレイがオンになって、「やまと」副長ゴーシの顔が映る。

ゴーシ「(敬礼して)やまと副長、ゴーシです」

藤堂、無言で、ゴーシの顔を見る。

ゴーシ「ただいま、入港作業完了。負傷者の搬送を開始します。受け入れを・・・」

藤堂、ぶるぶると肩を震わせている。

ゴーシ、察して・・・

ゴーシ「・・・最悪の結果になった。申し訳無い」

パネルの中に映るゴーシ、目礼する。

藤堂、じろっとゴーシを睨む。そして

藤堂「(叫ぶ)ばかやろーーーっ!!」

周囲の士官が振り返る。

パネルの中のゴーシは、うつむいたままだ。

藤堂、肩で息をしている。

やがて、しょんぼりと頭を下げて

藤堂「すまない・・・本当にすまない」

怒ったままの藤堂の目から涙が零れる。

うつむく。

ゴーシ、再び敬礼して映像オフになる。

藤堂「(うつむいたまま、つぶやく)沖田・・・」