1.宇宙空間

イオはおろか、木星をはるか後方にシュムント艦隊が進んでいる。

2.シュムント艦艦橋

シュムント「(レーゲルへ)負傷者の手当てを急げ。それと・・・シュルツへの報告もな」

レーゲル「は。しかし、ワープエンジンを持たぬ種族が我が艦隊とかくも互角に渡り合うとは」

シュムント「ああ。思ったより勝てなかった。遊星爆弾は無事発射できたとはいえ、損害が大き過ぎる」

レーゲル「(苦笑して)悔しいので?」

シュムント、レーゲルをじろりとにらむ。

レーゲルは・・・ひるまない。付き合いは長いらしい。

シュムント「(微笑して)悔しい。悔しくてしょうがない」

ふたり、顔を見合わせる。

一瞬の沈黙。

やがて、二人とも、くくく、と笑い出す。