253.もがみ艦橋

沖田「(叫ぶ)被害報告!」

村田「管制システム、駆動率80%。エネルギー伝導率やや低下」

徳川の声「機関、異常なし」

佐渡の声「生命維持装置、異常なし」

伊藤「(引きつった表情で)電探、通信回路、異常なし。ただし、周囲は、敵要塞に近いため、エネルギー波動の霧が覆っています。廻りが見えるまで時間がかかります。」

沖田、じっと前方を見る。

確かに肉眼で見ても、ぼんやりとした灰色の霧がかかっているようで何も見えない。

沖田「他の艦は」

伊藤「(自席の機器を操作して)近距離レーダー作動・・・『まほろば』『しきしま』『さがみ』『ながら』『こうべ』以上のみ・・・無事を確認」

沖田、うなづく。

まだ、前方の窓には何も見えない。

「み・・・みんな・・・死んじまって・・・」

重苦しい雰囲気に包まれるブリッジ。

254.もがみ機関室

操縦桿を握り締めたまま、うなだれる徳川。