ああ労働者 |
・デスラー暦800年○月☆日(破れたのが出てきた) 今日もまたまたゲールと飲みに行った。「居酒屋ヤマト」という不吉な名前の店で、おやぢの影が妙に薄い。それは兎も角、油染みた椅子に腰を下ろそうとした時、ゲールがヴィトンのバッグから大事そうに「マイクッション」を取り出した。それは、ドーナッツ型をしていた。私が、「ゲール、ま、まさか?」と言うと、ゲールは青い顔を少し紅潮させた。私は頭の中が真っ白になった。そ、総統!! 「労災を申請しようかとも思うのだが・・・。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 「悪食が過ぎたのだ。」 「・・・・・・・・・・。」そ、そうだ!あまりにも悪食が過ぎますぞ!! 「バラノ丼の食い過ぎでな、労災キクかな?」 「え?」 「丁度いい、ひさや大黒堂でクスリを買っていこう。タラン、お前、金持ってる?」 (ラララ・無人クン、ラララ・無人君〜・・。) 私としたことが、とんだ勘違いだった。よかった、よかった。 ・デスラー暦800年◎月:日 最近、私とゲールはよく一緒に飲みに行く。ゲールに、労災は下りたのかどうか聞いたところ、”ぢ ”印の不思議軟膏が結構効いたらしい。余ったら、あげようか?とも言ってくれるゲールは親切心からなんだろうが…いるかぁ! で、マイクッションを持ち歩く彼から、今日も凄い話を聞いてしまった。 「総統が敷いているクッションな、あれ、リバーシブルなんだよ。ドラ○もんをひっくり返すとどら焼きになったり、アン○ンマンをひっくり返すとドキ○ちゃんになったりするのと同じ仕組みで、あのクッション、表はかわいいバラノドンなんだが、裏を返すと…スターシャ様になるそうだ。お尻に敷いているんだぞ、人の顔を…」 …私では、お役に立てそうにない。 嗚呼、哀しい。 |
大江戸桃内
2001年06月29日(金) 17時49分06秒 公開 ■この作品の著作権は大江戸桃内さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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