(1)紅一点!雪ちゃんのやりたい放題イスカンダルの旅
 私は、森雪。18歳。才色兼備という言葉は、おそらく私の為に存在するのであろう。まず、私の生まれた家柄を説明しよう。私は、言うまでもなく、正真正銘のお嬢様。いや、人は私を姫と呼ぶ。私の祖父は大病院の経営者。そして、私の父は、「ハーバーケンフォード大学」の教授である。そう、名実共に「お嬢」なのだ。
 そして、私は誰よりも美しい。雪という名の由来は、森の中の白雪姫のごとくイタイケで、色白で美しい・・・。もしも、この世に私より可愛くて綺麗な女が存在するとしたら・・・いや、いるはずはない。幼稚園の頃から私を見て振り向かなかった男はいなかった。この美しさは、神の行われた「罪」かもしれない。
 私の美貌を、細部に至るまで説明しよう。人工美の少なくない22世紀末であっても私の容姿は親から授かった天然ものだ。少し、くすんだ茶髪・・・。これは、きっと3代前にスェーデン人の先祖がいたせいであろう。透けるように白いお肌もそのせいであろう。そして、日本人離れしたナイスバディー!(貧乳などと陰口をたたく人々もいるようだが、着やせしてるだけなのよ!) でも、本当にここだけの内緒の話。1箇所だけ、あるの・・・人工的に作った部分。それは「まつ毛」。横を向いても斜めから見ても、はみ出し見える「まつ毛」。そう、ビューラー(まつ毛をカールする器具)なんて必要ないの。だって、アデ○ンスで植毛したんですもの。ちょっと痛かったけど、損な出費ではなかったわ。だって、面倒なマスカラも、付けまつ毛も、まつ毛パーマも必要ないんですもの。

 西暦2199年○月、真っ赤に汚染された我が大地「地球」。
何でも、イスカンダルとかいう未知の惑星に何かを取りに行くらしい・・・。
女だったら誰でもいい、看護婦免許、他免許所有者、尚良し・・・という条件で公募された女性乗組員。

 あぁ、もうこんな若い男が激減した地球なんてもうまっぴらよ!ママはやれ森家の婿にと、ダサい男の見合い写真ばかり持ってくるし!言っておくけど私の理想は非常に高い所にあるのよ!だって、そうでしょ?この美貌!そうそう簡単に売り渡してなるもんですか!

「宇宙戦艦ヤマト」か・・・。何だかネーミングは古臭いけど、もしかして私の理想に近い男が乗ってるかも!だって、本当に地球に残ってるのは、若ハゲと毛深い男・・・。嫌よ!嫌なのよ〜!お金さえあればいいってもんじゃないのよ!でも、愛さえあれば・・・って訳でもない。その辺の兼ね合いが微妙なのよねぇ。何しろ生きて帰れる確立が1%・・・?うーん、もち命は惜しいけど、どうせ地球にいたってろくな男もいないんだし、その1%の確立に賭けてみようじゃないの。「お嬢」だけどキップのよさも天下一品よ!

続く・・・
RIKO
2002年02月22日(金) 20時23分10秒 公開
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■作者からのメッセージ
このストーリーはあくまでもフィクションでありますが、決してヤマトを揶揄したものではありません。むしろ作者の登場人物への深い愛を汲み取って下さい。あ・・・男性陣は勇者のみご鑑賞下さい。真のオンナ嫌いになるかもしれません。あしからず・・・。

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YONDEからの独立に当たって第2話・第3話のタイトルは僕がでしゃばってつけました。失礼しました^^; 長田亀吉 ■2002年04月27日(土) 23時49分04秒
こういうお話、読みたかったんです。今後の展開に期待大です。 じゅう ■2002年02月28日(木) 10時24分37秒
あの「古代クゥン」の陰にこんな野望が秘められていたとは!女子、恐るべし。 もーりっつ ■2002年02月26日(火) 21時07分56秒
女に夢を持ちすぎるな…という寓話ですね。イソップに教えられたことは確かに多かった。でも雪のこの心の声を聞いたら、純情な古代なんて男に走るかも! Alice ■2002年02月23日(土) 20時34分48秒
こ、これは!!この切り口は面白いです!はい!! 長田亀吉 ■2002年02月22日(金) 20時25分52秒
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